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ジュニアアスリートができる熱中症対策とは!?理学療法士の高畑トレーナーにお話をお聞きしました

熱中症対策_ジュニアアスリート_01

昨日、京都では気温30℃オーバーを記録しました。

ジュニアアスリートにとって、暑い季節がやってきましたね。

暑さに慣れないこの時期は、汗が出にくく、体に熱を溜め込んでしまう恐れがあるそうです(とテレビで言ってました)。

つまり、熱中症になりやすいんですね。

そこで、今回、ジュニアアスリートができる熱中症対策について、理学療法士でスポーツトレーナーとして活躍している高畑将太郎さんにお話を伺いました。

高畑トレーナー
理学療法士・スポーツトレーナー 
高畑将太郎さん

<プロフィール>
総合病院での勤務を経て、現在は大阪府門真市のスポーツ整形外科クリニックで主任理学療法士として勤務。高齢者から子どもまで幅広く対応している。クリニックと並行し、トレーナーとして主にテニス選手のトレーニングやコンディショニング、試合帯同を行う。また関西テニス協会主催大会のメディカルルームスタッフとしても活動。安全に大会が行われる様に怪我や熱中症への対応を主に行っている。資格:理学療法士、日本テニス協会認定テニストレーナー

<トピックス>
・熱中症は危険な状態になることも
・水分補給は水だけではなく、塩分もしっかり補給すること
・食事からも水分を!味噌汁がおすすめ
・安静時や軽度な運動時ではアイソトニック飲料がおすすめ
・発汗が多い場合はハイポトニック飲料がおすすめ

目次

知らないと怖い熱中症のリスクとは!?

熱中症対策_ジュニアアスリート_04
ガッキー

ジュニアアスリートの体の水分量が不足すると、どのようなリスクがありますか?

高畑トレーナー

まず体重の2%の脱水で強い喉の渇きを感じます。次に体重の3%の脱水で持久的運動能力や認知機能のパフォーマンスが明らかに低下し始めます。4%の脱水では全身脱力感や吐き気、感情の不安定(イライラしたり、ボーっとしたり)が生じます。

ガッキー

えっ、そんな影響が!?

高畑トレーナー

はい。暑熱環境下で脱水がさらに進んだ場合、体重の6%の脱水で手足の震え、ふらつき、頭痛、混迷、体温や脈拍・呼吸の上昇が起こり、8%の脱水で呼吸困難が起こります。10%に達してしまうとと全身の筋痙攣や失神、各種内臓の機能不全が起こり、大変危険な状態になります。この数値は文献によって若干の差あるようです。

水だけで済ませるのはNG

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ガッキー

普段から水分補給で気をつけることはなんでしょう?

高畑トレーナー

水分を取ることはもちろん必要なのですが、見落としがちなのは食事による水分の補給です。一般的に水分の必要摂取量は2.5リットルが理想と言われています。その内訳としては、水分補給としての必要摂取量が1.2リットルに対し、食事からの水分の必要摂取量として1リットル、そして、残りの300ミリリットルはカロリーを消費したときに自然と発生する代謝水で補います。

ガッキー

つまり、食事から1リットルの水分を取らなければいけない?

高畑トレーナー

はい。例えば、野菜は85%以上、ピザでも50%が水分なので、一般的な食事をしていれば1リットルは充分に摂取可能な量です。おすすめは栄養も水分も補える「味噌汁」です。

ガッキー

味噌汁、いいですね!
では、ジュニアアスリートが試合や練習などで、水分補給として気をつけることはなんでしょう?

高畑トレーナー

水分補給で一番良くないのは、水だけで済ませることです。汗で塩分なども同時に失われている状態で水を取っても体液が薄まり、浸透圧の関係で尿量を増やそうとするため、脱水状態は回復しません。
スポーツドリンクにナトリウムが含まれているのはそのためです。もちろん、水と塩分を一緒に取れば問題ありません。

おすすめのスポーツドリンクの飲み方

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ガッキー

スポーツドリンクもいろんな種類がありますよね?

高畑トレーナー

スポーツドリンクにはアイソトニック飲料(等張性)とハイポトニック飲料(低張性)があります。アイソトニック飲料は糖質が6%程度なもので市販品ではポカリスエットやアクエリアス。ハイポトニック飲料は糖質が3%程度なもので市販品ならポカリスエットのイオンウォーターやアクエリアスゼロになります。

ガッキー

そんな違いがあるんですね。

高畑トレーナー

次に糖質の濃度がどれくらいのものを選べばいいのかという問題ですが、安静時や軽度な運動時では糖質6〜8%のアイソトニック飲料(等張性)がおすすめです。胃を通過する速度が早くなるので、結果的に吸収を早くする効果と運動により失われる糖を補給する効果があり、長時間運動のパフォーマンスの改善に期待されると言われています。

ガッキー

メモメモ。

高畑トレーナー

しかし、運動による発汗が多い場合は体液が薄くなるため、ハイポトニック飲料の方が吸収が良くなります。水分を優先的に補充しないといけない暑い時期の運動中はハイポトニック飲料の方が適しているといえます。

夏は試合中や試合開始直前はハイポトニック飲料、休憩中はアイソトニック飲料。冬はアイソトニック飲料がいいかもしれません。

ガッキー

水分補給には経口補水液がいいと聞いたのですが、いかがですか?

高畑トレーナー

経口補水液はナトリウム濃度が高いのでため、脱水の時のみにしておいて下さい。
色々と理屈を言いましたが、本人が飲みにくい濃度だと水分摂取に悪影響を及ぼすので、濃すぎなければ最終的には飲みやすい濃度にしていただいてもいいと思っています。笑

熱中症の危険なサインは尿でチェック

熱中症対策_青空
ガッキー

熱中症になる前のサインは体のどこかに表れるのでしょうか?

高畑トレーナー

尿の色ですね。黄色は脱水の兆候で、黄土色は重度の脱水、茶色は何らかの脱水症状が起きており、病院による検査が必要です。このように、日頃から尿の色をチェックすることをおすすめします。

ガッキー

最後にジュニアアスリートにメッセージお願いします。

高畑トレーナー

年々ジュニア世代の身体機能の低下が叫ばれていますが、反面どの競技も近年のジュニアアスリートの競技レベルは上がってきていると思います。
僕は真夏の過酷な環境下でハイレベルな戦いを繰り広げるジュニアアスリートを本当に尊敬します。
安全に競技を行えるように、そして練習で培ったパフォーマンスをしっかり発揮できる様にする為に正しい知識を身につけて下さい。
夏は水分はだけでなく、食事や睡眠をしっかり取り、休憩中はなるべく日陰で過ごすなどちょっとした事で変わってきます。
皆さん一人ひとりが各自の目標を少しでも達成できる事を祈っています。

ガッキー

高畑トレーナー、貴重な情報をありがとうございました。

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この記事を書いた人

ジュニアテニスプレーヤーを子どもに持つ父親。

広告・PR会社に勤務。国家資格「キャリアコンサルタント」を有し、スポーツキャリアに関する取材を展開。

4万部の情報誌『エンタメニュース』で「キャリア教育を受けていない大人たちへ」を連載中。「キャリアタイムズ」の編集長を務める。

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