皆さんは、「小麦依存性運動誘発アナフィラキシー」というアレルギー症状について聞いたことはありますか?
うちの息子は、小さな頃から何でも食べる、特に好き嫌いもなく、そして幼少期に多い、「乳製品アレルギー」などもない、食べることに手のかからない子どもでした。
息子が発症したのは、小学6年生。サッカーに夢中で、毎日毎日ボールを蹴っている頃でした。
本日のトピックス
・学童期に発症することが多い「小麦依存性運動誘発アナフィラキシー」
最初のアナフィラキシーショック
小学校6年生になる直前の春休み。その日は、サッカーのカップ戦があり、河川敷で試合をしていました。14時頃の試合の後半、急に息子の動きが悪くなり自分から交代を求めてベンチに下がりました。
自分からベンチに下がるなんて、初めてのことだったので、様子を見に行くと
顔が腫れて、目の上に浮腫が出ていました。
2日ほど前に、突然花粉症のひどい症状が出て、顔が腫れて病院に行っていたので、心配になり、すぐ病院に連れていくことにしました。
その日は、土曜日。どこの病院に連れて行けばいいか、考えながら運転していたところ、
「お母さん、息ができひん・・・」
という息子の声……。
すぐ近くに消防署があり、救急車がいつも止まってたのを知っていたので、車で横づけし、「子どもが息ができないと言ってます!」と飛び込みました。
息子は、救急車の中で酸素マスクを装着され、救急病院に運ばれました。もちろん、私も一緒に救急車に乗りましたが一体何が起こっているか、まったく分かりませんでした。
救急病院では、アナフィラキシーショックを起こしているといわれ、すぐに、ステロイドや気管支拡張薬の投与が行われました。1時間ほどで、顔の腫れが少しましになり、数時間後には症状が落ち着きましたが、そのときは、原因が分かりませんでした。
アナフィラキシーショックは原因が分からないことも……。
アレルギーの原因が分からない
数日後、アレルギーの検査の結果が出ました。さまざまなアレルギーについて調べてもらったのですが、数値が高かったのは
・スギ
・ひのき
・カヤ
という植物系ばかり。花粉の時期だったので、多分花粉の影響だろうということでしたが、はっきりとしたことは分かりませんでした。
その後、6年生の秋と冬に同じようなことがあり、そのときも原因は分かりませんでした。じんましんが出るとか、口の中がかゆくなるとかだけでなく、息子の場合は、アナフィラキシーショックで呼吸が苦しくなるという症状ばかりでした。
処置を担当してくださった先生が
「こういう症状が続くときは、食べ物のアレルギーを疑ったほうがいい」
と言われたので、大学病院を紹介していただき、詳しく調べることにしました。
アナフィラキシーショックの主な原因は、
たまご・牛乳・小麦・そば・ピーナッツ・甲殻類などの食物アレルギー
といわれていますが、息子の場合、一般的なアレルギー検査では、いずれの食物も陰性だったのです。
小麦依存性運動誘発アナフィラキシー
食物依存性運動誘発アナフィラキシー。
息子にくだされた診断です。小麦を使っている食材を食べたあとに運動をすると、重いアレルギー症状が出る病気。小麦を食べても、家でゆっくりしているときなどは、まったく大丈夫という、にわかには信じられないようなアレルギーです。
食物依存性運動誘発アナフィラキシーの症状は
・全身のじんましんとむくみ
・呼吸困難
・血圧低下
・ショック症状
というもの。
以前の一般のアレルギー検査で小麦は陰性だったので「まさか」という思いでした。
サッカーの練習前にパンやパスタ、うどんなどを食べていましたし、食べたものが原因で、あんなに苦しい思いをさせていたのかと思うと、本当にショックでした。
お医者様がおっしゃるには、小さな頃から小麦を食べていても大丈夫で、発症したあとも小麦を食べても運動をしなければ平気なので、小麦が原因だと気が付かないケースが多いのだそうです。
原因が分かったことで、対応策が分かったのは不幸中の幸いでした。次回は、その後の生活の変化と、サッカー選手としてのアレルギーとの付き合い方などを書いてみたいと思います。
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